開催 一般観望会・・・今夜、日本の探査機が月着陸

今夜は月が見えそうです、観望会を行います。18~20時受付(20時受付終了)。予約はいりません、有料です。

さて、今夜ちょうど日付が変わり20日0:00から、JAXAの小型月着陸実証機SLIM(すりむ)が月面に着陸します(0:20の予定)。

今夜の月は上弦の月からほんの少したった、やや大きめの半月です。

着陸予定地点は、その時間帯は日本各地からも西の空に見えます。 日本から0時頃に西の空を見上げると、月と地平線の間には明るい木星が輝いています。

その着陸予定地点、直径270mのSHIOLI(しおり、栞)クレーターに望遠鏡を向けてみようと思います。

「向けてみよう」という表現からもお察しの通り、有効口径40cmの竜天天文台の望遠鏡ではクレーターそのものは見えません。
白い点として見える可能性があり、向けてみようというわけです。

本来、理論上は見えるはずのない小さな物でも光が当たることで周囲にその光をあちこちへ反射することで「反射する何かがある」としてその存在を捉えることができます。(光の)散乱という現象を利用します。

着陸にあたり公式の生中継が予定されています。

その他の詳しい説明はJAXA/ISASのサイトをご覧ください。
https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/current/slim.html

中継サイト

明日朝早起きしなければならない方などライブが見られない方も、もしよろしければ寝る前に西の空の月を見上げてSLIMに思いをはせてみてください。
探査機自体は小さすぎて、また月面がまぶしすぎて、望遠鏡を使ってもおそらく見えないと思います。

以下、数字だらけの余談です。

その1
理論上は地球の空気がなかったら、竜天天文台の望遠鏡は月面上にある400m程度のものが見える計算です。
16両編成の新幹線1編成の長さが400m(1両25m)ですから、岡山駅が月面にあり「地球に空気がなければ」竜天天文台の望遠鏡で点として見えるはずです。
実際は空気の揺らぎの影響があるため、目で見る場合、体感ではその10倍くらい、数~10km程度までが限界のように感じています。

その2
岡山駅を引き合いに出したついでに・・・余談です
余談ですが、岡山駅以東では14両編成のサンライズ出雲・瀬戸号は全長約280m(1両20m)、これはSHIOLIクレーターの直径とほぼ同じです。
さらに余談ですが、これらインパクトクレーター(石がぶつかってできたクレーター)はおおざっぱに計算して、ぶつかった石の20倍くらいの直径のクレーターができるといわれています。SHIOLIクレーターができるには 270÷20=13.5 13.5mくらいの大きさの石?岩?が月にぶつかってでできたと想像できます。
月は地球と異なり大気がほとんどなく、大気圏で燃え尽きたり小さくなったりすることなく、まともに月面まで落ちてきてしまいます。

投稿者: 竜天天文台

岡山県 赤磐市(あかいわ-)竜天天文台(りゅうてん てんもんだい)公園の天文指導員(中の人)が、その日の観望会の有無などをお送りしています